なぜ人はスタバに行きたがるのか? スターバックスが人気であり続ける本当の理由

今現在日本国内だけで1000店舗以上構えるスターバックス。

誰もが一度は行ったことがあるのではないでしょうか?

いつも何か作業している人や、新作を楽しみに行く人、幅広い年齢層の顧客を抱えるスターバックスがなぜ日本でこんなにも当たり前の存在になったのか、なぜはスターバックスは人気なのかについて少し深掘りしていきます。

スターバックスの始まりは意外にも学校の先生だった?

スターバックスは1971年にアメリカのシアトルで設立されました。

驚きなのが創設者の3人が飲食業界とは無縁の3人だということです。

立ち上げたのは、英語教師のジェリー・ボールドウィン、作家のゴードン・バウカー、歴史教師のゼブ・シーグルの3人。

きっかけは、アメリカのコーヒーチェーン「ピーツ・コーヒー」の創設者であるアルフレッド・ピートがコーヒーの焙煎を3人に教えたことが、スターバックスの始まりでした。

設立当初はコーヒー豆の焙煎・販売のみで今のようなカフェスタイルではなく、コーヒーが販売されたのは創業の15年後、テイクアウトと飲み歩き可能なスタイル(シアトルスタイル)でドリンクを販売することでカフェブームが起こり、現在ではおよそ60カ国の地域で約3万3千店舗展開されています。

なぜスターバックスなのか?名前とロゴの由来

スターバックスの名前の由来は、メルヴィルの小説「白鯨」に登場するコーヒー好きの航海士「スターバック」と、シアトルの南海部に位置するレーニア山の鉱石採掘場「スターボ」から名づけられました。

コーヒー好きの航海士ってどこかロマンチックですよね。

またスターバックスのロゴには、人魚が記されています。

これはギリシャ神話に出てくる「セイレーン」という人魚がモチーフになっており、二つの尾を持ち、船乗りを魅了して溺れさせる海の怪物とされていました。

スターバックスは、そこから「人々を魅了する」という意味を込めてセイレーンをロゴに使っているようです。

創業からの40年でロゴも少しずつ変化していきました。当時は他のブランドに人魚のモチーフをコピーされないように文字をつけておく必要がありましたが、ブランドの成長により世界中の人にロゴマークが認識されるようになった際にロゴ周りの文字をとり、今のようなシンプルなデザインに変化していったのです。

デザインが変わってもモチーフ自体は変わっていない点から、ギリシャ神話の怪物という不気味なモチーフをあえて取り入れ続けることで、消費者の興味を引くことが目的だったという説もあるそうです。どちらにせよこのロゴは、世界中の人に認知されていますよね。

スターバックスが日本に上陸

日本に初めてスターバックスが上陸したのは1995年で、1号店「銀座松屋通り店」がオープンしました。実は日本上陸は北米以外の新市場における初の店舗でした。

実はこのスターバックスの上陸した銀座ではにわかに「コーヒー戦争」が勃発し、スターバックスの他にタリーズやドトールなどの勢力拡大により、国内10万店舗以上あった喫茶店が約7万店舗と3割ほど減ってしまうほど、スターバックスの日本上陸は日本の「喫茶店文化」を変えるきっかけになったのです。

日本の文化を尊重した戦略

日本人は「ハイスペック嗜好民族」と呼ばれ実は、世界から見るととても要求が高いと言われています。そんなハードルの高い日本の市場ですがスターバックスは、2015年にできた鳥取1号店で日本全国に現在約1655店舗出店と拡大の一途を辿っています。この裏側には日本人ならではの文化を取り入れた試作や商品開発など、文化的価値観への配慮を含めた企業戦略が存在します。

スターバックスは、顧客のカスタマーエクスペリエンスを重視しているのは世界でも有名な話です。一方では各ローカル市場に合わせカスタマイズされた緻密なマーケティング戦略も特徴的で、SNSのハッシュタグを活用したキャンペーンや限定グッズなどの販売も行っています。

世界各国で一貫したブランドを保ちつつ、その一方でローカル市場での現場に特化したマーケティング施策を重視している企業は、世界でも有数で、スターバックスのユニークな部分は、テレビCMやチラシ広告、ダイレクトメールといったマスマーケティングの手法は一切使わず、一人一人の顧客対象にカスタマイズしたデジタル施策を一貫して重視しているという点です。

確かにスターバックスのCMやチラシなんて今まで一度も見たことないですよね。

また、「クーポン配布をしない(低価格競走には参戦しない)」というポリシーを掲げている点もユニークな戦略の1つです。これは新規顧客獲得のためにクーポンを配布するのではなく、あくまでも顧客の満足度をあげることにコミットしているというものです。つまり価格を下げないからこそお客様が満足できるエクスペリエンスを提供していけるという方針があるのです。

確かにどこのスタバに行っても、「スタバのスタッフさんは丁寧で優しい」イメージがあります。

購入したカップにメッセージが書いてあることで親近感や満足感を得ることができますし、メニューの「グランデ→L、トール→M」と表示しないのもお客さんのインテリジェンスを尊重しているからこその施策なのです。

ちなみに「ベンティ」というサイズ表記はスターバックスでしか使えない表記なんです。

価値のある空間づくり

また空間作りという面もスターバックスの非常に優れている点だといえます。

例えば、風情ある街並みで愛される京都の「二寧坂」は古くからの町屋が立ち並ぶ中、大正期に建てられた築100年の日本家屋が改修され畳の間に座ってコーヒーを飲む世界初の「座敷スタバ」があります。街並みに合わせたコンセプトでコーヒーを提供するスターバックスだが実は地域住民などの理解を得るのには10年以上の時間をかけています。

こうしたローカルの特徴を活かした象徴的な建物を活用した店舗を「リージョナルランドマークストア」として、全国で個性的なお店を展開しており、目的はお店を通して地域文化を発信し、かつ地元の人達のコミュニティの場を提供することだとしています。

関西では京都の他にも神戸北野異人館店。奈良の鴻ノ池運動公園店や大阪の大阪城公園森ノ宮店などがあり、富山には世界一美しいスタバと評された環水公園店があるので訪れる機会があればぜひ行ってみてください!

スターバックスが提供する最大の価値”サードプレイス”

スターバックスが提供する最大の価値それは”サードプレイス”つまり自分らしさを取り戻せる第三の居場所です。自宅(ファーストプレイス)でもなく会社(セカンドプレイス)でもない第三の居場所です。

スターバックスはコーヒーを飲む場所を提供するのではなく、”くつろげる空間を提供”しているのです。

この言葉は、社会学者レイ・オールデンバーグ氏が著した『素敵な心地よい場所』で用意られていたサードプレイスという学術用語でスターバックス創業者のハワード・シュルツさんがこの考え方を気に入り取り入れたそうです。

サードプレイスの定義

  • 中立・平等

サードプレイスは、政治・経済・法律などによって縛られることなく、自由に過ごすことができる場所で、参加する機会が平等なので条件などが一切なく自らの意思で参加できるからこそ高揚感が得られ、価値のある時間だと感じることができる。

  • リラックスした雰囲気

サードプレイスは、健全な存在で家庭的な温もりがあります。リラックスした雰囲気なので自然と笑顔があふれます。

  • 顧客の存在

サードプレイスには、必ず常連さんの存在があります。常連さんたちによって空間の色が異なり、個性的な空間になります。その中でも優しさを感じることができるので多くの人が居心地を求めて、その空間に魅力を感じて集まってくるのです。

スターバックスのシュルツさんは「本当に作りたかったのは、居心地の良い場所です。深煎りコーヒーだけではありません。」と語っており、クオリティの高いコーヒーの提供だけではなく、人と人の繋がりを大切にし人と人のつながりを大切にできる空間を提供することを目標に掲げていたのです。

一般的に、サードプレイスとして利用される店舗は、顧客の滞在時間が長くなり、お店としての回転率は確実に落ちます。普通の経営者であればお店の回転率を上げることを最優先で考えますがシュルツさんは、スターバックスには滞在時間の制限を設けないという回転率の悪い顧客を積極的に受け入れることを行いました。これはシュルツさんのサードプレイスをどうしても提供したいという強い意志とスタッフによる努力が可能にさせた戦略なのです。

そして現在では、Wi–Fiを無料開放し、音楽や映画など無料で提供するSDN(Starbucks Digital Network)を開始し、サードプレイスをさらに推し進めた”フォースプレイス”が出来上がったのです。単なるコーヒーなどを飲む場所ではなく、それぞれ個人にとって趣味を楽しむ”価値のある空間”へと生まれ変わってきたのです。

まとめ

確かに人は第三の場所に居心地の良さを感じるというのは無意識のうちに感じているものです。

イタリアではエスプレッソバー、ドイツではビアガーデン、イギリスではパブというように、それぞれの国には家庭とも職場とも違う「第三の場所」があります。

日本における第三の場所それがスターバックスのような気軽に集えるコーヒーショップになっていったのです。

そう考えると、スターバックスは確かに「空間」を楽しんでいる、友達とお喋りをしたりワークスペースとしてや趣味の時間として利用している人がほとんどです。

普段何気なく通っていたスターバックスには実はこのような仕組みが隠されていました。

皆さんもスターバックスを利用される際はドリンクを楽しむのはもちろんですが、「空間」も一緒に楽しんでみてください!

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